2011年02月13日

金髪ビキニの女性と出会って英語力不足を痛感していた頃





「ワラー?」、少なくとも私にはそう聞こえた。反射的に「イエス」と言った。東京は練馬の自宅から自転車で30分くらいの所にあった米軍の住宅地、「グラントハイツ」での出来事だった。私は小学校4年の頃から、世の中に見た目も違うし言葉も通じない人々がいる、そんな世界に強烈に惹かれた。本当は、勝手に入ってはいけないこの「外国」に、自転車を乗り回しずっと奥まで入り込んでいた。甘ったるい空気の匂いに誘われて、どこまでも自転車をこいでいたくなる。
 真夏の暑さで疲れも感じ、芝生に大きく聳えている木の下で休むことにした。少しすると、どこからともなくピンク色の派手なビキニの中年金髪女性が近づいてきて私に声をかけてきたのだ。既に、その頃から物欲しそうな顔作りになっていたのだろうか。何もかもが大きいこの女性は、体を揺らせながら家に入りものすごく大きなコップに水を入れて持ってきてくれた。「水」のことを、「ワラー」というんだ、とヘレンケラー的体験をさせてもらった瞬間になった。
 その生暖かい水を無理をして飲み干した。その間、ビキニの女性は体が触れるほどの距離のところでじっと立って待っていて、見上げないとならないので目のやり場がなかったが、「サンキュー」といって頭を下げてコップを返した。彼女が、スケールの大きな後ろ姿を見せながら遠ざかると、私は急いで自転車に乗ってその場を立ち去った。なんだか知らないが急に怖くなった。
 この時、「ワラー」以外にももっと沢山英語を覚えたいと思った。話ができたら、じゃお返しに肩のひとつでも揉んであげようとかはないだろうが、生まれ故郷の話とかで盛り上がったりして面白いんじゃないかと思った。
 英語教師が皆、金髪でビキニである必要はないが、異文化に触れるときの刺激が強ければ強いほど、語学学習ではいい結果が生まれるのかもしれない。学習意欲を湧かせるのは、なんといっても好奇心だろう。
  

Posted by タコ社長 at 19:38Comments(2)